一昔前では、50代や60代が転職者として多かった東京のタクシー業界ですが、近年では20代の転職者も増加しています。転職先として20代の若者がタクシー業界を志望する理由の背景にはいったい何があるのでしょうか。まず一番大きな理由としては、勤務形態が多様であり、仕事とプライベートのバランスを取りやすいという点があります。勤務形態には、一般的な企業と同様に日中に働く日勤勤務、夜から朝にかけて勤務する夜勤、さらには、1日働いて次の日休むという隔日勤務があります。特に隔日勤務は、日勤や夜勤と比較すると一日に働く時間は長くなる一方で、休みを取りやすいため20代のタクシードライバーに人気があるのです。
実際隔日勤務では20時間程度の勤務時間とはなりますが、その中には3時間以上の休憩があり、体力面でもそれほどの負担はありません。実際これまでは50代や60代のタクシードライバーでも容易に隔日勤務をこなしています。隔日勤務は1か月あたり11日から13日までと制限があるため、平日に連休をとることも可能になります。家族がいる20代のタクシードライバーであれば、子供が学校がない春や夏、冬の期間に家族で人の混雑に巻き込まれずに東京都内のショッピングモールで買い物したり、あるいは観光や旅行ができたりします。
また、東京都に多い共働き世帯であれば、平日の休みに、配偶者が仕事に出ている一方、育児を分担することもしやすいでしょう。賃金体系も魅力となっています。多くのタクシー会社が固定給と歩合給をあわせた賃金体系をとっています。20代で経験がなくても固定給で最低限の生活が保障されつつ、経験と能力を向上することで、歩合で給料をアップさせることができます。ただし、完全歩合給のみを採用している会社や固定給の割合が高いタクシー会社もありますので、入社希望の転職先がどのような賃金体系であるかは十分に確認するようにしましょう。
また、近年では女性の活躍が多い職種でもあります。カーナビの発達やスマートフォンからの配車、車自体の安全や運転性能のアップにより、タクシードライバーは男性が得意とする職種であるという既成概念は崩壊しつつあります。一方で、東京では、介護タクシーや保育タクシーなど、介護や保育サービスと送迎を一体としたサービスを提供するタクシー会社も存在し、前職で介護ヘルパーや保育士の経験を持つ女性を積極的に採用したいという多いのが実情です。このように年齢だけでなく男女の性別も関係なく、実力主義で働けるのが東京のタクシー業界なのです。