東京のタクシー業界は、全国的に見ても売り上げが非常に大きい現状です。実際に、全国でも1位を誇っている会社も存在するくらいなので、タクシードライバーへの給料も安定している傾向があります。元々、タクシー業界では給料体系が歩合制になっていることが多いため、ドライバーが働いて結果をだすほどより多くの収入を得られるようになっています。
特徴的なのが、タクシー業界全体で会社からの分配率が非常に大きいという点です。こういった、いわゆる労働分配率は70％以上にも至っています。一般的なサラリーマンが働く会社では、これほど高い数値を残すことはできません。基本的に、労働分配率は会社の利益から労働者に対して還元される収入の割合のことです。当然ですが、普通の会社は会社側の取り分が大きくなるため、サラリーマンの収入は一定しているもののそれ以上の収入はありません。
一方で、タクシー業界の場合はこの労働分配率が高いので、会社が得た収入は大きな割合でドライバーに還元されます。ですから、高い安定した収入を得るよう至っています。しかも、この傾向は東京でより顕著になります。これは、東京での歩合の割合が全国的に見ても大きいからです。例えば、タクシー業界の中では歩合の割合を10％から20％程度の低い数値で設定しているところもあります。これは、つまりタクシー会社から与えられる基本的な給料が基本給に依存していることを意味します。収入は安定しますが、サラリーマンのような料金体系になるため、転職を考えている人はこういった安定傾向にある会社を目指すのも1つの手です。
反対に、東京のタクシー会社ではこの割合が50％を超えていることが普通です。大手の会社ならば60％程度あることも珍しくなく、それだけドライバーのスキルによって得られる収入が変化してくることを示唆しています。当然、自分のスキルが高いと自信がある人はこういった東京の会社に転職した方が大きな収入を得られます。
ただ、誤解をしてはならないのは全てがスキル次第ではなくタクシー業界全体で見ても平均的な年収は高いという点です。特に、東京では平均年収が400万円程度存在します。これは、一般的なサラリーマンと比較しても変わりありません。これだけ高い状態で安定しているのも、東京ではそれだけ人が多く高い確率で売上を伸ばすことができるからです。このように転職を考える場合には、こういった労働分配率や歩合の状態を把握しておくことが大切です。