東京都内には数多くのタクシー会社が存在します。近年では、駅や流し走行でお客さまを拾って送迎する従来方式の業務だけでなく、スマートフォンからの配車アプリに基づく送迎や、介護、子育てサービスと連携した送迎、企業の重役送迎などのハイヤー業務など多種多様な業務需要を背景に、積極的に採用を行うタクシー会社が増加しています。東京においては、未経験からタクシー業界へ転職することはこのような需要を背景として売り手市場であり、比較的容易であるといえるでしょう。売り手市場であるがゆえに、最近では未経験の転職者に入社後の二種免許取得研修を実施したり、福利厚生にも力を入れるタクシー会社が増えていますが、一方で人材育成や福利厚生、待遇改善に力を入れていない会社があることも事実です。では入社前に良い会社と悪い会社を見分け、東京での転職に失敗しないためにはどのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
まず、月給や年収のみをやたらと強調し、すぐに稼げることを全面に強調している会社は注意が必要です。いくら東京という土地柄であってタクシー需要が多いとはいえ、未経験者が転職後に1から始めたとしても、経験者に比べて1日にすぐに数十万円稼げるようなことは非常に難しいです。経験を積み、接客や運転技術を蓄積するからこそ将来的に稼げるようになるのです。だからこそ、給与面だけに着目するのではなく、そのタクシー会社に入社して自分の経験や技術を高めることができるか、その延長線上に見合う給料を将来得られるかという点を十分に検討することが重要です。
次に注意したいことは、通勤時間です。タクシー会社の中では、早番勤務や深夜勤務などがある会社もあります。自宅から通勤する時間が長いと、体力的な負担も大きいです。特に運転は非常に集中力が必要な業務ですので、通勤時間が極力少ない自宅から近い会社を選ぶことも重要でしょう。さらに、福利厚生が充実しているかも注意する必要があります。給与面以外の従業員へのサービスが行き届いている会社は働きやすく人気があります。例えば、寮を提供していたり、家賃補助を提供する会社であれば、住居費の自己負担を低く抑えることができます。また、寮から東京都内の職場までを自社のバスで送迎を提供する企業もあります。また、基本的なことですが、厚生年金や健康保険などの社会保険の制度にタクシー会社が加入・完備していることはチェックしておきましょう。